JAGDA北海道で毎年行われてきたポスター展。前年はコロナの影響で中止となりましたが今年は開催される運びとなり、テーマ自由で作品を募集することに。個人的にはポスターは何かしらのメッセージを込めて、それを誰かに伝えるために作ります。このタイミングで伝えたいことは何か？と考えてもコロナのことばかり。すごく単純ですがコロナ禍でしかできなことをメッセージにして伝えようと思い制作したポスターです。
　「SPLASH DEVILS」と名付けたこのポスターは、テレビで見たスーパーコンピューター富岳の飛沫シミュレーションをモチーフに、飛沫の形状を脅威として悪魔型のマスクとして表現したものです。静かな世界の中で飛沫するウィルスを表現し、形状による興味からコンセプト・メッセージへと促すデザインにしています。
　この制作の過程でモデリングソフトのブレンダーを使用し、人とマスクを3Dで仕上げています。モデリング作業は森が担当しています。特に時間がかかっているのは人の方。頭の形や顔の形状をスタイリッシュにすることで凛とし雰囲気が漂い、マスクの怖さが際立つように調整しています。森と何度も頭の形や耳の形、顔のパーツの有無を検討し、さらにカメラの位置や首の向きによってファッション的か、アニメ的か、ホラー的か様々な表情に変化するため、角度によってはかなりホラー的に見せることもでき、これも中々面白い部分でしたがこのバランスを微妙に調整しながら、3人のDEVILを同じトーンに揃えるようにしています。少し不気味な塩梅が今一度コロナに対する意識を持つきっかけとなるのではないかと考えています。

　メッセージの伝え方にアイデアを持たせることでデザイナーらしく遊びを持ってコミュニケーションができるといいなと思います。早くこの状況が収束し、皆さんが健やかな生活が送れるようになることを願っています。