#STUDY

2024.12.20

Pixel motion graphics
with
TouchDesigner

 はじめに、今回紹介する作品である「ピクセルズー」はTouchDesignerという様々な機能のオペレータを組み合わせることでリアルタイムでインタラクティブな映像メディアを作ることができるビジュアルプログラミング言語を用いて何か面白いことはできないか模索してできたものです。画像はTouchDesignerの作業画面になります。
 簡単に例えるならリアルタイムでスマホで撮った写真に色々な加工・補正をしてカッコよくすること。と思っていただければわかりやすいのではないでしょうか。

 まず初めに組んだのはパソコンのカメラに映し出される映像の色々な輪郭だけを抽出してピクセル化するというもの。そしてこのプログラムをもとにできることはないか色々試してできたものがこちら↓。

 楽しそうですね。実際すごくハイテンションで撮影を行なっていました。
 映像を見ていただくとわかるようにピクセルにした時に光の反射などで細かく点滅する部分があったりしてどこかが常に動き続けています。そのため逆に人が動きを止めると周りのものと同化して静止画のように見えることを発見しました。そこから生まれたのが事務所でかくれんぼ遊びをするというもの。このかくれんぼをみんながよく知る動物でやってみよう!というのがピクセルズーの原案になりました。

 実際に動いている生き物をピクセル化したらどうなるのかを検証するために事務所近くにある永山記念公園を散策し、芝生の上を颯爽と歩くスズメを撮影した時の画像がこちら。真ん中に見える三角形のような形がスズメになります。可愛らしくはあるのですが、絵として見ると細かく迫力に欠けてしまいます。そこで特徴的な模様を持っていたり、大きな体を持つ動物園の動物たちに着目し、ピクセルにしたらどうなるのか検証しました。

study_pixelzoo_05_2_studiowonder

 上の1枚目がシマウマ、2枚目がライオンの夫婦になります。なかなか迫力のあるビジュアルですね。これらの画像を元にどのようなグラフィックデザインにするとみんながワクワク探したくなるようなかくれんぼになるのか、レイアウトや色彩設計、モーショングラフィックスから映像構成までスタジオワンダーの3人でコンテを作り上げていきました。

 映像のコンテが決まりいよいよ撮影日。場所は札幌市にある円山動物で行いました。撮影の際の懸念点は先ほど紹介したシマウマやライオンのようになるかどうか…。かくれんぼというからには動物がうまく隠れているように見えなければなりません。しかし画面に動物以外のものも入れて広く撮影する場合、細かな陰影までピクセルにならない可能性があります。そこでTouchDesigner内でピクセルの大きさや映像のどこまでをピクセル化させるかの感度など様々な数値をその場で操作して確認ができる作りにプログラムを組み直し、室内外問わず環境を同じトーンでピクセル化できるようにしています。
(写真はとある動物の動きに40分間翻弄されている時の野村さん。撮影ありがとうございます。)

 撮影した映像をTouchDesignerに取り込み、
このようにして完成したピクセル動物かくれんぼ「ピクセルズー」が次の3つになります。

 それぞれ動物がどこにいるのか、何の動物なのかわかりましたでしょうか?
動物園シリーズだけでなく、水族館の生き物かくれんぼとかをやるのも面白そうですね。水草に隠れた小さな魚とか岩と同化したヤドカリの見分けはつくのか気になるところです。